【動物催眠:爬虫類編】トカゲを催眠状態(トランス)にする方法

催眠術に掛かるのは人間だけではありません。催眠という現象は広く動物全般に見られるものです。
おなかをさすられてトランス状態に入ったトカゲ。
Hypnotizing Lizards!!
http://www.youtube.com/watch?v=_OZqmx2DEug


動物催眠は学者によっても報告されています。以下、「動物催眠術」(竹内楠三著、1904年)からの引用です。トカゲを催眠に入れる方法が述べられています。古めかしい日本語で読みにくいですが、トカゲを催眠に入れるのは非常に簡単であり、仰向けにしてしばらくすると催眠状態になるということです。
第5章 爬虫類
ダニリユースキー氏は若い鰐魚(わに)(Krokodil)が強制的位置におかれると動けない状態になることを観た。実際クロコヂル及びアリガトル(何れも鰐魚類に属するもの)は、其の既に成長して居るものでも、容易に此(こ)の状態にすることが出来る。然るに此の類(るい)は何人(なんびと)も知って居る如く、其の体が大きくて且つ恐ろしい動物であるから、之れを実験の為めにするには甚だ扱ひ難い、其の扱ひ易い点からいふときは、蜥蜴(とかげ)は大(おほい)に実験に適して居るのである。蜥蜴には色々種類があるが、其の何れを選ぶも差し支(さしつかへ)ない。フエルヴオルン氏は其の中(うち)でラツエルタフィリヂス(Lacerta vilidis)と称する一種の蜥蜴を撰んで之れに多くの試験を施した所が、鳥類及び哺乳類に於けると全く同一の現象を発見したと言って居る。
 蜥蜴の動けない状態になる試験を施さんとすれば、其れは実に容易なことである。夏になると何処にでも沢山蜥蜴が出て来るから、其れを捕へて上向けにするのである。而(しか)して之れを上向けにするには、試験者は二本の指を以って頭部、ちょうど頤関節(おとがひくわんせつ)の辺りを注意してシッカリと握(つか)み、其れから他の手を持って尾根(びこん)を捕へ、之れを下に押し付けながら其の体を転向(てんこう)するのである。斯(か)くすれば、激しい抵抗運動や噛みつかんとする運動は暫らくして止んでしまひ、全く静かになるのである。而して一時間或は其れ以上も上向けになったまま動かずに居ることがある。
 天竺鼠の場合に於けるが如く、種々の外感刺激が此の動物をして其の動けない状態から覚起(かくき)せしむる、然るに其の起きる際には、体の前部は全く直立して居るのに、後部の方は猶ほ依然として始め強制された位置に残って居ることが屡々(しばしば)ある。ところが急激なる運動を施すか或は吹くかすれば、此の動物は其の特有の迅速を以って忽(たちま)ち逃げ去るのである。要するに、爬虫類に於て現はるる所の現象は牝鶏(めんどり)及び天竺鼠(てんぢくねづみ)に於て見る所のものと違いはないのである。故に精(くは)しく之れを説明する必要はない。
 蛇類も亦た動けない状態にすることが出来る。併(しか)し此の類(るい)の動物は其の体が延長して居るから、手を以って之れを制御することは困難である。従って之れに実験を施すは随分面倒ではあるが、併(しか)し兎に角成功しているのである。エギプトの蛇を使ふ魔術者が同地産の「ナヤハエ」と称する蛇に就(つ)いて施して居る所の奇異なる実験がある。此の事に就いては下に精しく述べるのであるから茲(ここ)に言はない。 
(「動物催眠術」(竹内楠三、1904年) 21ページ-23ページより引用)
動物催眠術(竹内楠三、1904年): フェルヴォルンの著書「謂ゆる動物の催眠状態」を平易に解説したもの。
頤(おとがい):下あごのこと。
マックス・フェルヴォルン(Max Verworn, 1863~1921):ドイツの生理学者。
Lacerta vilidis: ミドリカナヘビ
トカゲをトランスに入れる方法、別の例。カタレプシーを起こして固まっています。この少女はテレビで紹介されていたやり方を見よう見まねでやってみたらうまくできたそう。
Lizard Tricks
http://www.youtube.com/watch?v=IWaBRSs0Gns

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