タバコの味がまずくなるような催眠術をかけて、「ほら禁煙できました!」というショーをよく見かけます。じゃあ同じように、「ほら、慢性的な痛みが消えました」とか、「自信がみなぎってきました!」と暗示をかければそれが催眠療法かというと、そういうものではないようです。暗示が解ければ元に戻ってしまうからです。
じゃあ、一体催眠はどう治療に役立てることができるのでしょうか?
J.ヘイリー著、高石昇訳『戦略的心理療法~ミルトン・エリクソン心理療法のエッセンス~』を今読んでいるのですが、この本がはっきりと答えてくれました。
催眠によって問題となっている症状を一時的に消すことの意義は何かというと、問題を改善する可能性をクライアント自身が既に持っているということをわかってもらうことです。
催眠から覚めた状態でも問題を改善できるという体験をすることで、本当の変化が生じるわけです。
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