パブロフの犬の実験

アンカー(anchor)は名詞だと「錨」、動詞だと「錨を下して船を固定すること」です。
そこから転じて、「被験者に特定の刺激を与えることで特定の反応を引き出すように条件付けること」をアンカリングと呼びます。
後催眠暗示を掛けられた被験者が、特定の言葉に反応して踊りだしたりする光景は、ショ―催眠でおなじみですよね。
このアンカリングの基礎と考えられているのが、パブロフの犬の実験で有名な「古典的条件付け」と呼ばれるものです。
パブロフは、無意識の反応(唾液の分泌)を、それとは本来無関係だった刺激(ベルの音など)によって引き起こせるという発見をしたのです。
この発見の様子をドキュメンタリー風に再現したのがこのビデオです。

犬の首の横にぶら下がっているガラス製の試験に分泌された唾液が貯まりその量が測れるという仕掛けがなされています。
パブロフがこの実験を始めた目的は、唾液の分泌を引き起こすものが何かを知るためでした。膝頭を叩くと足がぽこっと上がるような反射と同じようなものだろうとと考えていたので、肉が舌に触れたことにより唾液が出たのだろうと最初考えました。ところが実験を何回も繰り返しているうちに、肉が出される前に唾液が出てくるようになったことに気づきました。「期待」が生じるだけで反応するようになったのです。
 パブロフは肉がいつ出されるかわからないようについたてを立てて、無関係な刺激をいろいろ試してみました。まずは、
カチカチと鳴るメトロノームの音。最初は、メトロノームの音では唾液は分泌されませんでした。ところがメトロノームの音を聞かせて肉を食べさせることを繰り返すうちに、メトロノームの音だけで唾液が分泌されることを発見しました。
これが有名なパブロフの「条件付け」の発見です。
条件付けに使える刺激は、メトロノーム、ベルの音、ランプの光、など様々でした。

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